【看護師国家試験】国試対策いつから始める?絶対受かる勉強法って?

国試の勉強ってどうやったらいいですか?
国試対策で予備校に行った方がいいですか?

 

看護師国家試験の時期が近付いてくると、よく上記の質問を目にします。

結論から言うと

  • 問題集1冊を暗記するつもりで解く
  • 過去問を5年分解いて出題傾向を掴む
  • 3ヶ月あれば間に合う
  • 自己学習で十分
  • グループ学習も効果的

 

というのが回答になります。

しかしこれでは十分な回答になっていないので、看護師国家試験に受かる勉強法についてもう少し詳しく解説したいと思います。

 

勉強時間が多い人が受かるとは限らない

看護師国家試験の時期が近付くにつれ、「勉強が間に合わない」、「周りは必修問題の勉強を終えて一般問題の対策に入っている」と焦りだす人が増えますが、焦る時間があるのなら国試対策に時間を割きましょう。

国試対策は早く始めるに越したことはありません!

と言っても、時間をかけたからといって合格するわけではないのが、看護師国家試験のこわいところです。

 

国試に合格するのは合格条件を満たした人

国試に合格するのは、時間をかけて勉強した人ではなく、合格に必要な条件を満たした人です。

「いやいや、なにを当たり前のことを言ってるんだ?」と思うかもしれませんが、中には「勉強を始めるのが早かったから絶対大丈夫」と考え、気が緩んでしまっている人もいます。

合格に必要な条件とは、必修問題8割以上、一般問題ボーダー以上、マークミスなしの3つですが、少しの気の緩みのせいでケアレスミスやマークミスをして涙を流す人は毎年います。

これまでどんなに時間をかけて国試対策をしてきたとしても、国試本番でこのうちのひとつでも欠けると不合格になるのです。

たとえ、一般問題が満点だったとしてもです。

実際、私の同級生にも必修問題が2点足りず不合格になった人がいました。

その同級生は日頃から成績優秀で、さらに国試対策も半年以上前から始めるような真面目なタイプでした。

そんな誰から見ても合格するはずの人でも、必修問題がたった2点足りないだけで不合格となってしまったのです。

私とその同級生は同じ病院に就職が決まっており、希望部署も同じでした。

本来なら同期として一緒に働くだったもののそれは叶わず、私が就職して3ヶ月ほど経った頃、同級生は看護助手として就職してきました。

その一年後、同級生は無事国試に合格し看護師になりましたが、私が逆の立場だったらと考えると屈辱以外のなにものでもありません。

同じ部署で看護師として働くのと、看護助手として働くのとでは身に付くスキルは全く違います。

はっきり言って、この一年の差はありえないほど大きいです。

さて、話を戻して結局何が言いたいのかというと、国試対策は時間をかければいいというわけではなく、合格するための勉強を実践することが大切だということです。

そしてこの合格するための勉強は、3ヶ月あれば網羅できます。

「勉強が間に合わない」とあたふたするのではなく、要点を押さえて国試対策に取り掛かりましょう。

3ヶ月あれば、まだ間に合います。

 

国試対策は3ヶ月あれば間に合う

よく看護師国家試験は3ヶ月勉強すれば受かると言われますが、これは事実です。

理由は簡単で、3ヶ月あれば合格に必要な勉強が一通りできるからです。

合格に必要な勉強とは、冒頭でも挙げた通りで

  • 問題集1冊を暗記するつもりで解く
  • 過去問を5年分解いて出題傾向を掴む

 

上記二点です。

看護師国家試験は毎年2月中旬に実施されるので、最低でも11月中旬には勉強を始めましょう。

それ以降になると、よほどの追い込み勉強をしない限り正直合格は厳しいです。

 

看護師国家試験に合格するための勉強法

国試対策には国試対策用の問題集が必要です。

もしまだ購入していないのであれば、まずは問題集を購入しましょう。

 

看護師国家試験対策におすすめの問題集

私が使っていたのはクエスチョンバンクです。

 

国試対策用の問題集は、どれを使っても内容に大きな差はないので1冊で十分です。

時々何冊も購入しようとする人がいますが、問題集は2冊も3冊もいりません。

いろんな問題集に手を出して、結局どれも中途半端になってしまっては本末転倒なので、本命の1冊に絞って集中的に勉強することをおすすめします。

問題集選びに迷ったらメディックメディアの「クエスチョンバンク」や、医学書院の「系統別看護師国家試験問題集」といった有名どころを選べば間違いありません。

※無名な問題集を選ぶと、解答が間違っている可能性があります。

クエスチョンバンクを使って不便に感じたことはないので、私はこちらをおすすめします。

また私は、メディックメディアが出版しているレビューブック(参考書)も併せて活用していました。

レビューブックを併用すれば、クエスチョンバンクの説明では不十分な細かいところを補うことができるので、疑問点を解決しながら勉強を進められます。

クエスチョンバンクを使って勉強する場合は、レビューブックと併用することで、より効果的に国試対策ができますよ。

 

選んだ1冊を暗記するつもりで解く

問題集を購入したら、問題と答えを暗記するつもりで勉強を進めましょう。

特に必修問題は8割以上取らないと合格できないので、受かりたかった覚える!

正直これに尽きます。

問題集を使った勉強法のポイントは以下の3つです。

  • 問題集を2周解く
  • 答え合わせだけで終わらせない
  • プール問題に慣れる

 

問題集を2周解く

問題集を2周解く理由は、「1周しただけでは何も頭に入らない」からです。

問題集を初めて開いて1周目を解くとなると、目的は「問題を解くこと」がメインになり、「なぜこの解答になるのか」、「なぜ自分はこの問題を間違えたのか」といった深い部分にまでは意識が向きません。

そして、国試の問題形態は学校のテストとは全く別物であるため、まずは問題形態に慣れる必要があります。

おそらく1周目では「問題の意味が分からない・・・」と感じることも多いと思いますが、これは普通のことなので、必要以上に不安を感じる必要はありません。

1周目を解く時は、なぜ間違えたのかということよりも、とにかく問題を解くことに集中して進めていきましょう。

そして2周目を解く時には、「問題や解答をきちんと理解すること」に意識を向けましょう。

2周目になると問題形態にもずいぶん慣れてくるので、「こう聞かれたらこう答える」あるいは、「○○ときたら○○と答える」といった傾向が分かってきます。

 

答え合わせだけで終わらせない

問題を解き終えると解答を確認すると思いますが、答えだけ確認して終わっていては、十分な国試対策はできません。

自分の回答が合っていた場合
・なぜその答えになるのかきちんと理解する
・その他の選択肢がなぜ間違いなのかを理解する

 

自分の回答が間違っていた場合
・正しい答えを確認し、なぜそれが正解なのか理解する
・自分の回答がなぜ間違いなのか理解する
・その他の選択肢についても同様に、なぜ間違いなのか理解する

 

このように、選択肢をひとつひとつ掘り下げ、「なぜこれが正しい答えになるのか」、「なぜこの回答は不正解なのか」といったことを頭に叩き込んでいきましょう。

 

プール問題に慣れる

看護師国家試験には以下のような「プール問題」が頻出します。

〔問題 38〕 医療機関から廃棄される血液の付着したガーゼが該当するのはどれか。
1.一般廃棄物
2.産業廃棄物
3.放射性廃棄物
4.感染性一般廃棄物

参照:厚生労働省HP 第96回看護師国家試験の問題および解答について

 

37 外来で患者の血液が付着したガーゼを処理する取り扱いで正しいのはどれか。
1.産業廃棄物
2.一般廃棄物
3.感染性産業廃棄物
4.感染性一般廃棄物

参照:厚生労働省HP 第103回看護師国家試験(追加試験)の問題および正答について

 

これらを見ると、問題文は違うものの、問われていることの本質は同じなのが分かると思います。

こうしたプール問題が出題される理由は、看護師として求められる基本的な知識はいつの時代も同じだからであり、毎年このような類似した問題が出題されています。

問題集を2周解くうちに、どのような問題が「プール問題」として出題されるのか傾向が掴めてくるので、それらを暗記しておけば国試でも合格点を取ることができます。

さて、ここまで読むと「全部覚えるなんて無理でしょ」と絶望する人もいるかもしれませんが、暗記は3ヶ月あれば十分できます

繰り返しになりますが、看護師国家試験は3ヶ月間しっかりと合格するための勉強を実践すれば、合格点に届きます。

問題集を2周勉強すれば国試合格にもかなり近付くので、まずは問題集1冊を徹底的に暗記するつもりで取り組みましょう。

それが終わったら、次は過去問です。

ここで、「問題集は3周も4周もした方がいいですよね?」と疑問に思う人もいるかもしれませんが、問題集を何周も繰り返すより、過去問をきっちり解く方が重要です。

 

過去問を5年分解いて出題傾向を掴む

厚生労働省のホームページには看護師国家試験の過去問と解答が掲載されています。

問題集での勉強を終えたら、過去問を5年分解いて出題傾向と問題の形態を掴みましょう。

クエスチョンバンク等の問題集を使った勉強はもちろん大切ですが、国試合格のためには過去問を使った勉強が非常に重要です。

理由は以下の通りです。

  • 実際の国試をイメージできる
  • 制限時間内に問題を解く癖がつく
  • 問題を解く時間配分が分かるようになる
  • 出題される分野や問題の出され方が掴める

 

上記4つの効果を得るためには、過去問を実際の国試に見立てて解くことが大切です。

これはつまり、厚生労働省のホームページを眺めながら問題を解くのではなく、問題を全てプリントアウトし、実際の国試と同じように制限時間内で解くということです。

問題集を使った勉強では1問解くごとに解答を確認する人もいるかと思いますが、過去問を使った勉強では全ての問題を解き終えてから解答を確認するようにして、国試に対応できる状態を作っておきましょう。

私は5年分の過去問をすべてプリントアウトし、実際の国試を想定して制限時間内に問題を解く練習を重ねました。

そして5年分の過去問を解いてみると、「この問題は2年前の国試に出た問題と同じだな」、「この問題は答えの選択肢が少し変わっただけで、問題文はそのままだな」といったことに気付くようになりました。

過去問を解くことでこうした出題傾向も掴めてくるので、上記でお話した「こう聞かれたらこう答える」あるいは、「○○ときたら○○と答える」という部分がより強化されます。

国試は「受かりたかった覚える!」に尽きると言いましたが、問題集と過去問を使ってここまで勉強できていると、単なる暗記学習ではなくなります。

問題集2周+過去問5年分を解き終える頃には、問題ひとつひとつに対してはっきりとした根拠のある解答ができるようになっていますよ。

こうなると、国試対策は完璧と言えます。

 

自己学習に疲れたらグループ学習を

さて、ここまで問題集と過去問を使った勉強をお伝えしてきました。

こうした勉強はひとりで黙々と取り組むのが向いている人もいれば、息が詰まってしまうという人もいると思います。

私もそうだったのでよく分かりますが、国試対策をひとりで頑張り続けるのはとてもしんどいですよね。

そんな時は、同級生と一緒に問題を出し合いながら国試対策をしてみてください。

私はよく同級生と集まって問題を出し合っていましたが、その度に「覚え方間違ってた!」とか「ここみんな間違えるよね」といったポイントに気付くことができ、勉強に対するモチベーションも維持できました。

同級生は、これまで大変なテストやきつい実習を一緒に乗り越えてきた仲間です。

そんな仲間と最後まで一緒に頑張って、国試もみんなで乗り越えてください。

 

自己学習に不安が残る場合は予備校を利用

自己学習やグループ学習を頑張ってはいるものの、国試対策に不安が残るという場合、リスク回避として予備校の授業を受けるのも選択肢のひとつです。

看護学校の教員は国試対策まではしてくれないので、国試に合格できるかどうかは全て自分の頑張り次第ということになります。

万が一不合格となった時のことを考えると、翌年の国家試験受験までモチベーションを保ち続けるのは簡単なことではない上に、既卒生の合格率は現役生に比べてかなり低くなるというデータが出ています。

絶対に現役合格したいということであれば、予備校を利用しましょう。

国試を終えた後、「こんなことなら初めから予備校で勉強しておけばよかった」と後悔するのではなく、「今まで勉強したことが全部出し切れて良かった!」と思えるよう、計画的に勉強を進めてほしいと思います。

 

まとめ

今回は、看護師国家試験に受かる勉強法を解説しました。

最後にもう一度、現役合格に向けてやるべきことをまとめます。

  • 問題集1冊を暗記するつもりで解く
  • 過去問を5年分解いて出題傾向を掴む
  • グループ学習で学習効果を上げる
  • 国試対策に不安が残る場合は予備校を利用

 

これまでたくさんの難しいテスト、そして厳しい実習を乗り越えてきたみなさんであれば、国家試験も必ず合格するはずです。

とにかく前向きに、合格することだけを考えて勉強に打ち込んでほしいと思います。

そして国試本番では、くれぐれもマークミスのないよう確認作業はしっかりしてください。

みなさんが新人看護師として楽しく充実した社会人生活がスタートできるよう、応援しています。