【看護師の前残業は当たり前】見直されるべき医療業界の暗黙のルール

大学病院や総合病院に勤める看護師は、始業時間の30分~1時間前までに病院に到着し、前残業をするのが当たり前になっているという事実があります。

もちろん、時間外労働としての手当てが出ることはありません。

特に新人看護師の場合、「先輩よりも早く行かなければ」という暗黙のルールのもと、始業時間の1時間半ほど前から病棟に入って情報収集をするといったことも常識化しています。

このような労働環境に異議を唱える看護師はなかなかいませんが、はたしてそれでいいのでしょうか。

私は、看護師の過酷な労働環境は改善されるべきだと思っています。

 

常識化している看護師の前残業とは

私が看護師として働き始めた新人の頃は始業時間の1時間半前に出勤し、3年目になる頃は始業時間の1時間前に出勤して情報収集をしていました。

その理由は、始業時間前に終わらせておかなければならない仕事があったからです。

 

始業時間前に点滴や薬の準備、オペ出しの準備

私が勤める病院の始業時間は8時半でした。

8時半から申し送りが始まるため、それまでに受け持ち患者の情報を一通り取って、一日のスケジュールを確認したり看護計画を立てたりします。

投薬やオペ出しなどは決められた時間通りに進める必要があるため、ケアや処置はその合間の時間で行うのが一般的です。

看護師の一日のスケジュールは想像以上に忙しいため、必要な薬やオペ物品を始業時間以降に準備しておかないと、スケジュールが回らなくなります。

朝一番のオペともなると、8時半スタートだったりもするのでなおさらバタバタです。

これらのスケジュールを決められた時間通りにスムーズに行おうと思うと、どうしても始業時間前に準備を終えておかなければなりません。

さらに、「新人は早く来て点滴の準備をしておくべき」といった先輩看護師たちの圧力もあったため、新人の頃はプライベートを犠牲にして働いていた記憶があります。

これは私が勤めていた病棟に限らず、日本全国の病棟看護師に共通することだと思います。

 

異議を唱える人がいないことの違和感

前残業があまりにも常識化しているためか、この労働環境に対して疑問を抱く看護師は異常なほど少ないので、このままだと労働環境が改善されることはないだろうと危機感を感じます。

とは言え、私も当初は看護師には前残業はつきものだと考えており、こうした労働環境に全く疑問を抱いていませんでした。

いつの間にか、看護師は前残業をして当たり前という価値観を刷り込まれていたのだと思います。

しかし、今となってはこれは何も当たり前のことではなく、見直されるべき問題だということがはっきりと分かります。

 

看護師は労働基準法に守られるべき

労働者は働いた時間分の給与を受け取る権利がありますが、病院と言う職場であるためかなかなかそうした権利を訴える看護師はいません。

「周りがみんなやっているから自分もやって当たり前」

「患者と向き合う仕事をしている以上、これくらい当たり前」

「誰も残業代なんて申請していないからもらえなくて当たり前」

気付かないうちに、同調圧力による数多くの「当たり前」が生み出されている医療現場ですが、本来であれば労働時間に対してきちんと賃金が支払われるべきです。

労働基準法32条には、労働者が使用者(会社)の指揮命令下に置かれている時間を労働時間と規定するといった趣旨の記述も見られます。

もしこうした実態を労働基準監督署に報告すれば、病院側が業務改善を命ぜられる可能性も十分にあるということです。

では、実際に労働基準監督署へ報告する看護師はどれくらいいるでしょうか。

おそらくほとんどいないはずですが、その理由はやはり同調圧力が存在しているためです。

そのため、多くの看護師は

「残業代が出ないことを嘆くなんて自分がおかしいだけなのではないか?」

「周りは不満も言わず前残業をこなしているのに、自分は感覚がおかしいのだろうか?」

「そもそも、前残業は当たり前なのだから労働基準監督署に報告するなんて的外れなのではないか?」

といった考え方をしてしまうのです。

しかし、いつまでも当たり前のように前残業を続ける必要はありません。

 

前残業のない病院へ転職することで自分の時間を確保

看護師にはいろんな働き方や働く場所が用意されており、それらは自分で自由に選択することができます。

前残業から抜け出す解決策として一番なのは、前残業のない職場へ転職することです。

特に、クリニック看護師であれば始業時間ぴったりに着いても問題ない場合が多く、また回復期リハビリテーション病棟であれば点滴やオペをする患者がいないため、自分の時間を確保しながら働くことができます。

看護師の職場は病院だけではないので、自分のプライベートを犠牲にしなければならない職場で働き続けるよりも、労働環境の良い職場へ転職することをおすすめします。

何度も転職を繰り返すことで、職歴ばかり増えて印象が悪くなりそうという人もいますが、その心配はいりません。

看護師の需要は増えるばかりで完全に売り手市場なので、転職に困ることはまずありません。

転職方法としては、まず職場見学に行って、気になるところがあれば派遣看護師から始めてみるのがおすすめです。

もしその職場を気に入った場合は、契約を更新したり正社員になったりすることが可能で、合わないと感じたら契約を更新せずに短期で退職することも可能です。

看護師には、働き方や職場を自由に選ぶ権利があるということを知ってほしいと思います。

 

看護師が絶対に登録しておくべき転職エージェント

労働環境の改善を求めて転職をする場合、必ず看護師専門の転職エージェントに登録しましょう。

専任のキャリアアドバイザーから情報をもらいながら転職活動をすることで、プライベートを大切にできる職場への転職が実現できます。

ここでは、看護師が絶対に登録しておくべき転職エージェントをご紹介します。

 

ナース人材バンク

参照:ナース人材バンク

 

総合評価:

公式サイト:http://nursejinzaibank.com/

 

ナース人材バンクに相談する

 

ナースではたらこ

参照:ナースではたらこ

 

総合評価:

公式サイト:https://iryo-de-hatarako.net/

 

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ナースパワー

出典:ナースパワー

 

総合評価:

公式サイト:https://www.nursepower.co.jp/

 

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まとめ

看護師の前残業は決して当たり前のことではありませんが、新人の頃から誰しもが当たり前のように前残業をしているため、これが異常なことだと気付く看護師はほとんどいません。

しかし、転職という選択をすることで前残業のない職場を選ぶことができ、さらには年収アップやよりよい福利厚生を手に入れることも可能です。

過酷な労働環境でいつまでもしんどい思いをする必要はないので、我慢が限界に達する前に見切りをつけて、プライベートな時間をもっと大切にしてください。